インターネット競売サイトのヤフーオークションに、人気画家奈良美智さんの作品に酷似した画風の絵2点が出品され、「自分が描いた作品ではない」と奈良さん自身が指摘したことが入札者に伝わらないまま、計約70万円で落札されたことが4日、分かった。
ネットオークションは売買の気軽さで人気が高まる半面、商品の価値があいまいなまま取引されやすいことが指摘されている。画家本人が自作ではないと判断しても競売の場に反映させるのが難しいという問題点が、新たに浮き彫りになったかたちだ。
2点は奈良作品に特徴的な厳しい目つきの子供を描いた作品で、サイズはいずれも縦約60センチ、横約50センチ。「水彩画?奈良美智?大型?大作?」などと題して出品され、10月23日に入札開始。出品者は入手経緯について「死去した祖父の家の蔵から出てきた。真相や価値は素人のため分からない」としていた。
奈良さんは出品者に対し、自らの作品ではないと画家本人から連絡があった旨を表示するよう要望。だが回答はなく、「鑑定等はしておりませんので奈良美智の作品ではありません」などの説明が追加された。競売は同27、28日に締め切られ、2点は46万円と約21万円で落札。未鑑定であることが掘り出し物への期待感を持たせたと関係者はみている。
出品者は取材に対し「申し入れが本人かどうか分からないので『奈良美智の作品ではない』とだけ記載した」と回答。
同サイトを運営するヤフージャパンは「奈良さんの作品だと断定していないので、オークションのガイドラインには違反していない。画家本人から(同社に)申し入れがあれば、出品者に連絡を取るようにしたい」としている。